「AWS GenAI Catapult!」で優勝!
実践で学んだ、生成AIを「使いこなす」方法

 
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「AWS GenAI Catapult!」 は、Amazonの「Working Backwards」の考え方を用いて生成AIのユースケースを考え、プレスリリース形式でサービス構想を発表する体験型ワークショップです。2026年6月11日・12日の2日間にわたり、弊社を含む12チームが参加し開催されました。

TMNは、新規事業開発で連携しているHakuhodo DY ONE社のメンバーとともにチーム「TMN Seikatsusha AI Lab」として参加し、プレゼンコンテストで見事優勝を果たしました。

チーム「TMN Seikatsusha AI Lab」は、Working Backwardsのサイクルを2日間で高速で回し、ビジネス・企画・デザインの視点と、決済・金融領域の実装知を掛け合わせ、生活者AIサービス構想『KOTORI』を企画しました。当日の体験をレポートします。

「AWS GenAI Catapult!」概要

ビジネス担当者とエンジニアが協働し、Working Backwardsでアイデアを考え、生成AIを活用して動くプロトタイプへとつなげていくプログラムです。

  • 開催日:2026年6月11日–12日の2日間
  • 開催形式:ハンズオン型ワークショップ
  • テーマ:AWS × TMN 金融領域 × 決済領域の共創
  • 手法:Kiroの仕様駆動開発(Spec-driven development)による高速PDCA
     Kiro の3ステップ
    •  Spec:要件 → 設計 → タスクを構造化
    •  Steer:ルール・制約をAIに教える
    •  Code:Autopilotで一気に実装
      

【Amazonの「Working Backwards」とは】

顧客起点の価値を深く掘り下げ、本当に必要なプロダクトやサービスを企画・開発していく手法です。最初に以下5つの質問を通じてプレスリリースを書き、これから検討するプロダクトやサービスを明確にします。そこから逆算してFAQの作成を通じ、具体的な内容を考え、その後、ビジュアルにお客様体験の詳細を詰めていくものです。

「5つの質問」
  • お客様は誰ですか?
  • 現在の課題と新しい可能性は何ですか?
  • お客様にとっての最大のメリットは何ですか?
  • お客様のニーズやウォンツをどのように知りましたか?
  • お客様の体験はどのように変わりますか?

イベント参加の背景:「ツール選び」より、問いの立て方を伸ばす

生成AIを業務や新規事業の検討に取り入れる際、「どのツールを使うか」だけでは、十分な価値は生まれません。大切なのは、誰のどのような課題を解決したいのかを具体化し、チームで仮説を磨き、素早く形にして検証する力です。

TMNでは、こうした実践的なスキルを身につける機会として、昨年に続き今年もAWS主催の「AWS GenAI Catapult!」に参加しました。成果そのものを目的とするのではなく、生成AIを活用した企画・開発の進め方を体得する場として臨みました。

課題設定:顧客課題から考えることが、AI活用の出発点

 
課題設定:顧客課題から考えることが、AI活用の出発点! イメージ   

叩き台はAIに。最終判断はチームに。

AmazonのWorking Backwardsにおいて重要だったのは、AIにアイデアを出してもらうことではありません。メンバー同士で「この利用者は、どの瞬間に困っているのか」「本当に解消すべき負担は何か」「提案を受け取ったとき、どんな気持ちになってほしいのか」を繰り返し議論したことです。

生成AIは、ペルソナの整理、プレスリリースやFAQのたたき台作成、画面イメージの検討などを高速化してくれました。一方で、AIから得たアウトプットをそのまま採用するのではなく、顧客視点に照らして問い直し、チームで取捨選択することが欠かせませんでした。

AIのアウトプットとチームでの取捨選択、この往復によって、抽象的なアイデアが具体的な判断材料に変わります。生成AIは「答えを出してくれる便利な道具」ではなく、考えを深め、論点を整理し、試行錯誤のスピードを高めるパートナーになり得る ―― 今回の2日間でそのことを再確認しました。

企画構想:TMN Seikatsu-sha AI Lab が描いた『KOTORI』

私たちチーム「TMN Seikatsusha AI Lab」が構想したのは、共働き・子育て世帯が抱える「考える家事」の負担に着目したコンシェルジュアプリ「KOTORI」です。

検討の出発点にあったのは、予定そのものよりも、天候や行事の変更に伴って何度も判断をやり直さなければならないことが、生活者にとって大きな負担になっているという気づきでした。

KOTORIの検討では、共働き・子育て世帯における行事、天気、持ち物、買い物判断の同時発生に着目し、「予定そのものより、変わった時の再判断が一番しんどい」というインサイトを設定しました。

たとえば、家族の予定や天気、購買・決済履歴、食材の在庫といった情報を組み合わせ、「今日は何を準備すればよいか」「何を買えばよいか」を先回りして提案する体験です。  

ストーリーボード(行動/課題~解決後)イメージ   

▼プレゼン資料はこちらからご覧いただけます。
『KOTORI_TMN seikatusha AI Lab プレゼン資料』

実務への取り込み:学びを明日からの仕事に活かす

今回の2日間で体得した以下の観点とPDCAサイクルは、AWSや金融領域に限らず、社内のあらゆる業務改善や新規検討に取り込めます。

  • 顧客の課題を掘り下げる
    「便利なものを作る」ではなく、顧客起点で「誰の、どんな判断負担を減らすのか」を最初に言語化することで、AIに依頼する内容や、作るべき内容を明確にします。

  • AIで仮説を可視化する
    AIで文章、FAQ、画面イメージ、プロトタイプを高速で形にしてみることで、抽象的だったアイデアの不足点や論点が見えてきます。

  • Spec → Steer → Code の三段で実装する
    Spec(構造化)、Steer(制約)、Code(一気に実装)、というKiroの3ステップが近道になります。

  • 異なる視点を混ぜる
    ビジネス、企画、デザイン、エンジニアリングなど、それぞれの視点を持ち寄ることで、単独では見落としがちな課題や可能性が見えてきます。AI活用においても、ツールの知識だけでなく、チームで良い問いを立てる力が成果を左右します。

  • 小さく試す
    完成度を最初から求めるのではなく、小さく形にして検証しながら完成度を高めていくアプローチが重要です。

今回の「KOTORI」での検討においては、限られた時間の中、顧客の課題を掘り下げ、小さく試しながらPDCAを十分まわせたことが勝因であったと感じています。

まとめ:生成AIを、"使い回せる力"へ

Working Backwards は、お客様の体験を先に定義してから開発に着手する考え方であり、顧客、課題、顧客メリット、ニーズの把握方法、驚きのある体験などを事前に問い直します。

この手法を実践して感じたのは、生成AIは「答えを出してくれる便利な道具」ではなく、考えを深め、論点を整理し、試行錯誤のスピードを高めるパートナーになり得るということです。

今回のAWS GenAI Catapult! への参加は、コンテストの結果だけで完結するものではありません。顧客起点で考えること、生成AIを使って素早く可視化すること、そしてチームで議論しながら仮説を磨くこと――これらは、日々の業務改善や新たな価値創出にも生かせる実践知です。

"使いこなす" 側の人間になるために 大きな構想を描くだけでなく、まずは小さく試し、学び、その学びを次の挑戦へつなげる。そんな積み重ねを通じて、生活者やお客様にとって本当に価値のある体験を生み出していきたいと考えています。

TMNでは今後も、外部イベントへの参加や社内での対話・検証を通じて、生成AIを活用するスキルを高めていきます。

  • ※記載内容は2026年8月時点の情報です。