世界最大級のフィンテックイベント「Global Fintech Festival 2026」@インドに参加しました

副社長の小松原です。
インド・ムンバイで開催された世界最大級のフィンテックイベント「Global Fintech Festival 2026(GFF)」に参加しました。

GFFは、インドの政府機関や金融機関、業界団体、フィンテック企業など8,000以上の機関・団体が集まり、金融政策や技術戦略に関する議論や、展示やセミナーを通じた多様な取り組みが紹介される世界最大級のフィンテックイベントです。
10万人を超える来場者からインドにおけるフィンテック市場の熱量と成長への期待を強く感じました。

大盛況の会場内 イメージ 大盛況の会場内 イメージ
大盛況の会場内

キャッシュレス先進国インドの共通決済基盤「UPI」

イベントの中心にあったのが、インドの統合決済インターフェースである「UPI(Unified Payments Interface)」です。

UPIは、インド政府が2016年に立ち上げた共通決済基盤で、事業者間の相互連携ができ、決済・送金の手数料をゼロにしたものです。
政府による運営のため、事業者は基盤の維持管理にリソースをかける必要はありません。ウォレット間の送金が自由にでき、QRの加盟店手数料も不要なので、事業者は決済手数料ではなく、UPIの上で提供する様々なサービスから収益を得ています。

利用者にとってはサービス間の垣根を意識せずに決済できること、事業者にとっては決済を起点に新たな顧客接点をつくれることが、大きな特徴です。

参加企業も多く、インドの生活者や事業者に広く利用されています。実はインドはキャッシュレス先進国なのです。

昨年開通したメトロ イメージ昨年開通したメトロ
券売機では、現金またはUPIの2択 イメージ券売機では、現金またはUPIの2択

「資産のトークン化」活用による新サービス

今回は「自律型AI」「資産のトークン化」「量子技術」の3分野が主要テーマに掲げられ、特に「資産のトークン化」活用による新サービスが多く出ていました。

「資産のトークン化(トークナイゼーション)」とは、金融商品や不動産など実物資産をブロックチェーン上で発行・管理する仕組みです。

EコマースならぬQコマース(Quickコマース、注文したら10分でデリバリが可能なサービス)との連携や小口融資などのほか、変わったところでは牛の鼻紋をAI分析することで個体認識を行い、その生育情報を使って農家向けにファイナンスを行う事業のプレゼンがありました。

 
牛の鼻紋から農家向けのファイナンスを行う事業も イメージ
牛の鼻紋から農家向けのファイナンスを行う事業も   

こうした取り組みからは、決済データや関連する情報を活用し、より個別性の高いサービスへつなげようとする発想がうかがえます。

UPIはインド国内にとどまらず、海外との決済・送金連携にも取り組んでいます。国境を越えた人の移動や商取引が活発になるなか、送金・決済の利便性を高めることは、生活者や事業者にとって重要なテーマです。

また、決済インフラを自国・地域の経済基盤として捉える視点も印象に残りました。
決済は日常の購買を支えるだけでなく、金融サービス、商取引、行政サービスなど、社会のさまざまな活動を支える基盤でもあります。

だからこそ、利便性だけでなく、継続性や安全性、相互運用性を含めて考えることが重要になると感じました。

 

街中の小さな個店でもUPIは広く浸透している イメージ
街中の小さな個店でもUPIは広く浸透している   

決済のその先へ

日本の決済市場に目を向けると、インドの取り組みをそのまま当てはめることはできません。
一方で、異なる事業者・サービスをつなぐ仕組みづくりや、決済の先にある顧客体験・付加価値を考えるうえでは、多くのヒントがあります。

決済は、もはや「支払うためだけの機能」ではありません。生活者や事業者との接点を広げ、新たなサービスを生み出す起点になり得ます。今回のイベントを通じて、決済の可能性を改めて考える機会となりました。

 
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ムンバイの夕焼け